あなたの口から秋のためいきが麺に似て細く長く伸びあがり、高く抜けていこうとする空をなめらかに縛り上げるさまを、あなたはぼんやりと見ている。
『響け!ユーフォニアム 2』『3月のライオン』『終末のイゼッタ』『オカルティックナイン』『ブブキ・ブランキ 星の巨人』『ガーリッシュナンバー』、2016年秋クールアニメはどれもおもしろい。どれもおもしろいので息をつく暇もないというのがぜいたくな悩みといえばいえる。夏クールを結局1本も見ずに終わってしまったので、体調を「アニメ」に設定するのにすこし時間がかかる。
早稲田「ラーメン 厳哲」。おいしい葱がたっぷりのっててすばらしい。
限定メニューに高価な食材を使っていたり、お酒もそろえていたり、早稲田という土地柄ながら、学生にラーメンを安くどんと提供というよりは、ちょっと高めの値段設定でサラリーマンに飲み屋代わりにも使ってもらいたいみたいな意志を感じた。強い意志はなによりも貴い。
新宿「たかはし」。焼きあごラーメン。あごの出汁はふつうにうまいし、麺が変わったちぢれ具合でおもしろい。
そして店の床がめっちゃすべる。
三鷹「たきたろう」。塩つけ麺。店の外壁が奇抜。
素朴なつけ麺だが、「しょっぱくてうまい」という原初的なよろこびを与えてくれる。ラーメンとは本来そういうものであると思う。知らんが。
池袋「中国家庭料理 楊 2号店」の担々麺。これはもうほんと抜群にうまい。
羊肉のクミン炒めとか、ほかの料理もすごくおいしかった。美味健康、再訪必至、美人薄命。
西荻窪「麺尊 RAGE」。
ここはおいしいのでたまにいくのだが、このときはなんだかちょっと油っぽく感じた。ぼくの舌のせいか、ブレか。ま、なんだっていいさ。おばけなんてないさ。
東小金井「くじら食堂」の限定、からいつけ麺。
見るからにからそうだが、からいものが得意でない(嫌いとはいってない)ぼくでもおいしく食べられたので、まあそんなもんである。どんなもんじゃーーーい!!!!
三鷹「みたか」。中華そば。真ん中に見えるホイップクリームみたいのはほぼ脂身のチャーシュー。あたりなのかはずれなのか。あなたが太っていればあたり。あなたが死んでたらはずれ。
ぼくはこれを食べている最中ずっと、『響け!ユーフォニアム』の吉川優子の魅力について考えていた。すぐれたラーメンは人の思考に介入して邪魔をするということがない。
水道橋「勝本」の限定塩ラーメン。
はじめて行ったのに限定を頼んでしまったが、べらぼうにうまい。ちなみに「べらぼう」は棒の名ではないらしい。棒好きの諸君、ざんねんだったね。
神田神保町の「つけそば 神田 勝本」。「勝本」の支店。
本店もそうだったが、麺がすごくおいしい。そして神保町のつけ麺のほうは麺が2種類盛ってあるという珍しい仕様。はなまるあげちゃいます。その代わり、あなたの一番大事にしているものをください。
演劇を見るためはじめて三軒茶屋に降り立った日の夕飯だが、最初に2軒、時間通りに店があかないという不幸に見舞われ、3軒目に見つけてしかたなく入った。三軒茶屋だけに。ふざけてんのか!!!!
番外編。吉祥寺「チョップスティックス」でベトナムのブン。ブンとはフォーに似てフォーにあらざる麺。
ブン、ブンブン、ブンドコ、吉・祥・寺!!!!!!!