君は加賀百万石がいったいどんなものか知っているのか?知ったうえでそういう口のきき方をするのか?【前編】
「一度くらい酒造見学というものをしてみたいんだよね」という話を友人にしたら、じゃあ行こうよととんとん拍子に話がすすみ、3月6,7日、石川県は金沢市にちょっとした旅行をした。どうでもいいがぼくは基本、行きたいといっているところには行きたいといっているだけで行くことはないので、いざ行くことになってしまうととたんに腰がひける。よってスケジュールの作成は友人に丸投げである。
6日、朝8時半の新幹線で金沢へ。11時過ぎに到着。日月と雨の予報で心配していたが、とりあえずはくもり。結果としては全旅程をとおし、小雨がぱらつくかぱらつかないか程度で天気はもってくれたのでよかった。
駅前のよくわからないでかい門。わけのわからないでかい物体で客を威圧するのは観光地の悪い癖のようだ。
まずは兼六園。今回はもうベッタベタに観光ルートしかまわっていない。今回の旅行を主体的に立案した友人がベタな人間だからであり、ぼくがそれを許す受け身な人間だからである。
金沢ではいたるところで着物を着た観光客を見かけた。着物を着て金沢をめぐろう!的なサービスがあるのかもしれないし、そんなサービスはないのに勝手に着てきているのかもしれない。ぼくにはなにもわからない。
もちろんこの建築物は昔からそのまま残っているわけではなく、金沢大学を郊外にどかしたあとに再建されたもの。展示されている年表を見るとわかるのだが、金沢城、落雷だなんだで歴史上とにかく燃えまくっている。次燃えたらそのときはアルミとかで作り直したほうがいい。
とりあえず観光を優先した結果、朝からおやつのようなものしか口にしていなかったので、ここでものすごい空腹に襲われる。しかし観光地周辺には甘味処ばかりが目についてあまりよいレストランがない。ふたりふらふらと市役所のある通りを歩く。甘味処しかない。
3時近くなり、絶望したわれわれに救いの手を差し伸べてくれたのは、金沢カレーを提供することでおなじみ「ターバンカレー」本店であった。おなじみではない。
うまい!!!ホスピタリティが高い!!!!!!ありがとう、ぼくらのターバンカレー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ひとごこちついて、つづいては金沢21世紀美術館でコンテンポラリーアートの企画展。「コンテンポラリーアート」とは日本語にすれば現代美術であり、もう一度英語にすればコンテンポラリーアートとなる。
まんなかの空隙は「空虚」「無」をあらわしているそうだ。写真撮影はできなかったがほかにももうひとつ、コンクリートの壁の中心に穴のあいた作品があり、それも"Void"をあらわしているのだと解説があった。現代のアーティスト、空虚を目に見える形で表現したがる者たちよ。
このあとは、酒造見学ではないが福光屋という酒造の販売店で飲みくらべをし、
中心部に戻ってまた飲む。
下は治部煮である。これは前から食べてみたかった。それなりにおいしかった。
朝から歩きづめで疲労。ホテルにチェックイン。部屋でシャワーを浴びてから、びみょうに食い足りない気持ちを残したまま眠りたくはない、ラーメン屋でも行こうということになったが、時間が遅いこともありおいしそうな店はことごとく閉まっていた。しかたなくたまたま見つけたラーメン屋に入ったところ、そのあとの記憶はない。これにて1日目は終了とあいなった。
ホテルの部屋にて。味はふつう。