君は加賀百万石がいったいどんなものか知っているのか?知ったうえでそういう口のきき方をするのか?【後編】
君は加賀百万石がいったいどんなものか知っているのか?知ったうえでそういう口のきき方をするのか?【前編】
一夜明けて7日。朝いちばんに長町武家屋敷跡。前日の春のような陽気からは少し冷えこんで、ぼくとしては気持ちがいい。
ここで野村家武家屋敷跡というのを見学。この家の庭がおもしろかった。
写真だとちょっとわかりづらいのだが、家屋から見て手前と奥のほう(写真では左と右)でけっこうな高低差のある立体的な造りになっている。こういう凝った構造の庭を見たのははじめてで、眺めているとなんだかジオラマの中にでも入りこんだかのようなわくわく感を覚える。池に泳ぐ鯉たちも「満足している」とのことであった。
つづいては妙立寺。道を間違えて裏口から入る。
正面。
見学に事前予約必須という時点でなんなんだと思っていたが、押し寄せる団体の観光客からひとり1000円(1000円!?)取って、おおぜいのガイドたちがびしばしとさばいていくという、寺としてはあまりに資本の論理にまみれたその姿にぼくは涙をこらえきれなかった。
しかしなるほど内部は見ごたえがある(撮影は不可)。加賀藩三代目藩主が、あんまり豊かな加賀藩に幕府が目をつけて襲ってくるのを危惧して(嫌味な理由だ)、いわば金沢城の出城として建築させたこの寺は、寺にあるまじきレベルで戦闘準備万端で、落とし穴だの隠し扉だの、攻め来る敵を下から槍で突き刺すための階段だの、あるいは切腹用の隠し部屋だのと、非常に入り組んだ構造をしているので、案内がないときちんと見て回ることは難しい。ちなみにわれわれの班のガイドさんはとても若い女性だったのだが、はまったらすごく痛そうな罠についてかわいらしい声で淡々と解説していくのがなんかおもしろくて笑ってしまった。
妙立寺近くの西茶屋街で朝飯代わりに豆腐アイスを食べ、昼食をとるため町の中心部の市場へ。 月曜日とは思えない人手で、大変なにぎわい。
寿のやつーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
一緒に出てきたもずくの味噌汁とあわせてたいへんうまい。
しかしのんびりと寿司を食っている場合ではない。1時半からの酒造見学の時間が迫っているのである。急ぎタクシーで谷内屋酒造へ。「やちや」と読む。
この幼児が「酒」をあらわしているらしいのだが、幼児に「火入れ」をする意味がわからない。
酒造を出ると道ですれちがったおばちゃんに「あんたら酒造の見学に来たんかい!?」と声をかけられる。ああそうさ、おれたち見学に来たのさ!!!!!!!
4時半の新幹線に向けて、いよいよ時間は切迫している。行きはタクシーだったので問題なかったが、帰りのバスはどれに乗ればいいのか迷いに迷う。近所の高校で入試があったらしく、いろんな制服の中学生たちがわらわらしている。彼らもどのバスに乗ればいいのかよくわかっていない。バスって地元民じゃないとわかんないよね。
どうにか金沢の中心部にもどり、さいごに東茶屋街。午前中に行った西茶屋街に比べると、こちらのほうが観光地としては栄えている。たしかにきれいな家並み。
古いお茶屋の内部を見学したのち、喫茶店でおやつ。
これにて旅程は終了。帰りの新幹線でビールを飲みながらだらだらと帰る。北陸新幹線はトンネルが多く、よく携帯が圏外になる。
おみやげ。