ペッペルしてくださいませんか
昨年9月のブラートフとプリゴフに続き、今年はペッペルシテイン。なんだろう、モスクワでは秋口に現代美術の有名どころの展覧会を開かなきゃいけない習いでもあるのだろうか。
9月21~27日にモスクワに滞在していた。そこでたまたま会った日本の知人に、ロシアの現代美術家・作家パーヴェル・ペッペルシテインの展覧会が開催中であることを教えてもらったので、舞い散る落ち葉の数を数えるのにもいいかげん飽きて時間をもてあまし気味だったぼくは26日、いそいそと会場の"МАММ"(マルチメディア・アート・ミュージアム・モスクワ)に向かったのだった。
「過去に恋した未来」展ですか。そんなものより俺に恋してみないか。
西暦9000年ごろには地球は人でぎゅうぎゅうになり、もはや人類は一個の生命体として活動している、という絵。
言い訳しておきたいところですが、ロシア人もみんな撮ってるんですよ、写真。女子たちが。一眼レフで。著作権の神にはようかんを送っておきます。
西暦2215年、カザフスタン北部に設置された巨大な鏡。
海上の巨大なティーカップ。
西暦2700年、陰陽マンダラ型間銀河巨大ターミナル。
クリスタルに包まれた不死の少女が空から降りてくる。クリスタルに包まれた不死の老人が地底から出てくる。だからなんだっていうの!!ねぇ!!?教えてよ!!!!
世界より大きなロシア。女の子ひとり、森を行く。
というような不思議な未来たちの絵が、ところせましというほどでもなく並べられており、思っていたより楽しめた。大概のものは心がけしだいで思ったより楽しめます。
ちなみにこの展覧会とは別の階ではAES+Fという、日焼け止めの効き目の指標みたいな名前のアーティストの映像作品が上映されてて、おまけでそれもけっこうおもしろく見た。「さかさまの世界」、世の倫理、秩序がひっくり返った世界。ひっくり返せばえらいってもんでもない気はしますが。