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『ブブキ・ブランキ』を見ました、ほか。

いまごろになってやっと『ブブキ・ブランキ』の最終話を見た。2月の頭くらいだったか、2016年の冬クールのアニメでおもしろいのなんですか?と知人に聞かれてぼくはこれを挙げたのだが、知人は3、4話見て、説明が少なすぎて話の流れがよくわからないといって投げたみたいだった。

 

はじめにぼくがこのアニメを気に入ったのは、そもそものアニメーションとしての迫力とか(バトルもので自分はまだ興奮できるんだなとうれしくなった)、キャラの魅力とか(黄金ちゃん。あと敵キャラもかっこいい。「四天王」って真面目な文脈でひさしぶりに聞いた)、武器のデザインとか(フジリュー版『封神演義』の宝貝を思わせるところがある)、メガネのデザインとか(メガネ!!!)そういう要素からで、ストーリーについては見進めればおのずとわかってくるだろうとそのときは思っていたのだが、たしかに知人のいうとおり、急すぎる展開、説明不足は途中からずっと気になっていた。

 

2013年にノイタミナで放送されたアニメで『ガリレイドンナ』というのがあって、これが設定やキャラクターは魅力的だったものの、ほんとは2クール(1クールは3か月で12、3話)作る予定だったのが制作の都合で1クールになり、終盤の展開がグダグダという残念作品だった。作品の外の事情でストーリーがゆがめられてしまうのは残念としかいいようがないが、『ブブキ・ブランキ』もひょっとしてそのパターンなのでは?と疑いながら見ていた。ところがどっこい、最終話の放映後流れたCMによれば続編の制作はすでに決定しているようだ。それくらいの体力があるんだったら、1期の12話分をもうすこしゆっくり丁寧にやってほしかったなというのがぼくの本音ではある。ほんとだったらこういう壮大な世界設定のアニメは、NHKとかで6時台くらいに1年とか半年とかかけてやってくれたらいいのにと思う。でも日本のアニメ業界にはもはやそんな余力は残されていないのだろうか。かもしれない。

 

ま、業界の事情への雑な懸念は置いとくとして、それでもなお『ブブキ・ブランキ』は日ごろラブコメばかり見るようになってしまった惰弱なぼくに、ひさびさに戦闘シーンのわくわくを思い出させてくれた良作だったと言いたいです。2期も見ます。がんばってね!!!

 

このほか、安定の『僕だけがいない街』、癒しの『だがしかし』、京アニの汚点『無彩限のファントム・ワールド』が3月まで。4月からは『くまみこ』『ふらいんぐうぃっち』『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』『甲鉄城のカバネリ』『迷家―マヨイガ』。今期は当たりが多いです。

 

映画もたまには見る。18日月曜、渋谷で『バイツァ・ダスト』という、ロシアの若い監督のコメディ映画を見る。

 

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「バイツァ・ダスト」は"Bite the Dust"、英語の題名をそのままカタカナ化しただけで、原題は"Отдать концы"、これは船乗りの掛け声で「出航!(もやい綱を解け)」くらいの意味だということだ。18日限定の上映会という形をとって、チケット1000円とドリンク代500円、この日2回の上映で終わりだそうで、なんの気なしに予約して見に行ったら、予約分だけで席はいっぱい、当日券をアテにやってきた人は見られなかったらしい。案外くるもんですね、人。

 

コメディコメディいうからそういうもんかとなんとなく身構えていたが、ゲラゲラ笑わせにかかるというよりは(いや、わからない、ロシア人のツボはわからないけど)、ペーソスの水面にユーモアのインクがじわじわとにじんで広がっていくような、チェーホフが喜劇というときの喜劇、とでもいえばいいのだろうか。申し訳ないけど笑っちゃうよね、という感じの笑いである。ラストについては、ちょっと監督、人が好すぎるんじゃないですかと思わないでもなかったが、それはぼくの目ん玉がゆがんでいるからそう映るだけのことだろう。全体としては十分楽しめました。1日しか上映しないのはもったいない。

 

あとはまあ、この何か月かの間に、『花とアリス殺人事件』とか『エル・スール』とか『サウルの息子』とか『桐島、部活やめるってよ』とか『共犯』とか、借りたり映画館に行ったりしてたまにいいものに出会うことはあった。そんなこんなで気づいたら4月も終わりである。